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【Vol.2】国の財布(補正予算)と世界の潮流(G20) 激変する「地域医療」で生き残るための羅針盤(2025年12月06日号)

はじめに

こんにちは、医療政策ウォッチャー編集長の木内翔太です。 第2回目のニュースレターをお届けします。

今週は、地域医療・経営に関わる皆様に向けて、「現在(医療費)、足元(補正予算)、未来(G20)」という3つの視点から、薬局・看護・介護の現場リーダーが知っておくべきトピックを厳選しました。

1つ目は、「令和7年度7月分の医療費動向」
75歳以上の医療費は伸びていますが、診療所の収益構造に異変が起きています。これは「門前薬局」や「訪問看護」の戦略に直結する話です。

2つ目は、「令和7年度補正予算案」
物価高や賃上げへの緊急支援だけでなく、DXを通じた「業界再編」のメッセージが込められています。

3つ目は、「G20保健大臣会合」
少し遠い話に聞こえますが、実は日本の「かかりつけ機能」や「人材戦略」の未来を占う重要な羅針盤です。

現場にどう影響しそうか、サクッと3分で解説します。


75歳以上層が牽引する医療費変動
診療所収益の構造的減退と、地域連携の必須戦略

事実

  • 厚生労働省が公表した令和7年度7月分の「医科医療費の動向(電算処理分)」によると、総医療費は対前年同月比で+1.3%の伸びを示しましたが、特に75歳以上80歳未満の伸び率が最大(+8.5%)でした。

  • 一方で、医療機関種類別では医科診療所の医療費が▲1.5%と減少傾向にあり、入院外(外来)においては、医学管理(▲2.5%)、再診(▲2.7%)、処置(▲3.2%)といった基本診療部分の収益が軒並み低下していることが確認されました。

3行要約

  • 75歳以上層(+8.5%)の医療集中が顕著だが、受診延日数は減り、結果として1日当たり医療費(単価)が+4.5%と大幅に上昇している,。

  • 大規模病院(大学病院+6.7%)が伸びる一方、医科診療所の医療費は減少(▲1.5%)し、地域での医療機能分化が加速している。

  • 外来の医学管理や再診(▲2.7%)の収益性が低下しており、従来のルーティン診療ではなく、高付加価値な慢性期・在宅管理が求められる構造に変化している。

地域現場への影響

  • [経営・収益]

    • 薬局は門前依存を脱却し在宅と高度薬物管理(入院外薬剤料+3.3%)へ移行。

    • 訪看・介護は75歳以上の疾病(新生物+5.0%、循環器系+2.6%など)対応力強化が直接収益に繋がる。

  • [連携・実務]

    • 診療所からの連携依頼減少を見込み、薬局や訪看は病院やケアマネへの退院支援や複雑な慢性期管理の提案を能動的に行う実務フローへ転換する。

  • [チャンス]

    • 75歳以上の複合疾患管理(ポリファーマシー/がん/循環器系)を軸に、薬剤師、訪看、病院が協働する高付加価値な地域チームを構築し、信頼と患者紹介ルートを独占する。

例えるなら

  • 地域医療を一つの交通システムと見立てると、今回の動きは「地域診療所という名の路面電車の運行縮小」のようなものです。

  • 大規模病院が高速鉄道のターミナルとして機能強化する中(大学病院+6.7%)、在宅現場(75歳以上)へのサービス提供は、薬局や訪問看護が担う「機動性に富んだオンデマンドの配送サービス」となり、ターミナルと在宅を結ぶことが今後の生存戦略となります。

引用

最近の医療費の動向-MEDIAS- 令和7年度7月号|厚生労働省 最近の医療費の動向-MEDIAS- 令和7年度7月号について紹介しています。 www.mhlw.go.jp

初出:note(@ski_sph)

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