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CrossHealth / 薬局持久度レポート
県内でいちばん分業が進んだ圏でも、全国平均には届かない
丹南医療圏(鯖江市・越前市・池田町・南越前町・越前町)の薬局を、市町まで下りて見える化。
この記事の数字について:出所は公開データ(厚生局・薬局機能情報提供制度=GMIS・NDBオープンデータ・社会保障人口問題研究所の将来推計人口など)。分析期間は上の「対象・期間」のとおりで、将来値は推計であり幅があります。検算のやり方と不確実性の扱いは方法論のページ →で説明しています。
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丹南医療圏の市区町村レポート(A4・6ページ)
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丹南医療圏(越前市・鯖江市・越前町・南越前町・池田町)は、薬局83軒。福井県335軒の24.8%がこの圏域にあります。65歳以上人口は2045年までに+1.8%とほぼ横ばい。ところが圏内に下りると、市町ごとの落差は34.2ポイント——福井県の圏域差(24.7ポイント)の1.4倍に開きます。圏の平均は、この圏域のどの市町の実感でもありません。
福井県の24.8%
県内最高。全国平均まで13.4ポイント
南越前町〜鯖江市
県平均 12.5km²
この圏域の院外処方せん率は67.3%で、福井県4医療圏のなかで最も高い値です。それでも全国平均(80.7%)には13.4ポイント届きません。福井県は院外処方せん率が全国47都道府県で最も低い県で、その県のなかでいちばん分業が進んでいる圏ですら、この位置にいます。もうひとつ、この圏域には福井県で唯一薬局が1軒もない自治体(池田町)があります。
地図 ── 地域差を見る圏の中で、需要のシェアがどう動くか
色はこの圏域の中での、薬局1軒あたり処方せんのシェア移動(2025→2045)です。いちばん下がるのが南越前町(-22.2%)、いちばん上がるのが鯖江市(+12.0%)。これは圏内の相対値です。圏全体では65歳以上人口が+1.8%なので、色が青くても絶対量が増えるとは限りません。絶対量の変化は表の「65歳以上の増減」列をご覧ください。
人口動態5市町のうち3市町は、65歳以上人口がもう減り始めている
丹南医療圏の総人口は173,635→144,167人(-17.0%)、65歳以上は54,552→55,533人(+1.8%)。高齢化率は31.4%→38.5%です。ただし市町では、5のうち3市町で65歳以上人口が2025年をピークにすでに減り始めており、逆に1市町(鯖江市)だけが2050年まで増え続けます。鯖江市の総人口の減り(-8.9%)は福井県17市町で最も小さい値です。
薬局のない町池田町には、調剤薬局が1軒もありません
池田町(人口2,148人・65歳以上982人・高齢化率45.7%)には調剤薬局がありません。福井県17市町のなかで唯一です。面積は194.6km²で、隣接する自治体の薬局が受け皿になっています。2045年までに総人口は-39.2%、65歳以上人口は-31.2%となる見通しで、高齢化率は51.7%になります。これは事実の記述であり、ここに薬局を出すべきだ/出すべきでないという判断は含みません。
ランキング市町ごとの1軒あたり処方せん
薬局1軒あたりの処方せん(2025年)は8,964枚(越前市)から27,976枚(南越前町)まで。ただし上位は薬局2〜8軒の町の値で、1軒の増減で大きく動きます。薬局8軒以上の市町だけで見ると8,964枚〜13,459枚です。
くわしい数字5市町データ一覧
| 市区町村 | 薬局 | 高齢率 2025 | 1軒あたり処方せん 2025 → 2050 | 変化 |
|---|---|---|---|---|
| 越前市 | 41 | 31.0% | 8,964 → 8,881 | -0.9% |
| 鯖江市 | 32 | 28.4% | 9,064 → 10,154 | +12.0% |
| 越前町 | 8 | 37.7% | 13,459 → 11,685 | -13.2% |
| 南越前町 | 2 | 41.0% | 27,976 → 21,759 | -22.2% |
| 池田町 | 0 | 45.7% | 薬局なし | ― |
※処方せんはNDBの医療圏別実績(2023年・院外)を、市町の65歳以上人口で按分した推計です。実測ではありません。※薬局数は2025年時点で固定。※閉局の件数は市町別には出していません。福井県の閉局データは県計24件で、名簿の号が2本欠けているため、市町に割ると誤読を生みます(Lv1の注記を参照)。※薬局8軒未満の市町(南越前町)と0軒の町(池田町)は small_n です。個店のランキングは作りません。
この地図の使い方(3段階のドリルダウン)
- 越前市 薬局41軒=圏内最多。1軒あたり処方せんは圏内最少。
- 鯖江市 薬局32軒。圏内で唯一、65歳以上人口が2050年まで増え続けます。
機能の届出 ── 厚生局の名簿で数える地域支援・医薬品供給対応体制加算の届出は96.1%です
薬局の機能は、これまで薬局機能情報提供制度(GMIS)の自己申告で数えていましたが、ここからは地方厚生局の「施設基準届出受理医療機関名簿」で数え直しています。丹南医療圏でこの名簿に載っている保険薬局は77軒で、そのうち届出があるのは──地域支援・医薬品供給対応体制加算 74軒=96.1%、かかりつけ薬剤師(服薬管理指導料の注1)(推定) 43軒=55.8%、在宅薬学総合体制加算 23軒=29.9%、電子的調剤情報連携体制整備加算(推定) 64軒=83.1%です。名簿の版は令和8年7月1日版(東北厚生局=青森・岩手・宮城・秋田・山形・福島の6県のみ令和8年6月1日版。7月分が未公開のため入手可能な最新を使用)。8つの厚生局・47都道府県をすべて同じ月の版でそろえてあるので、県どうしを並べて比べられます(GMISの自己申告は県によって取り込みの穴があり、これができませんでした)。推定を含む項目があります。「かかりつけ薬剤師(服薬管理指導料の注1)」は令和8年度改定でかかりつけ薬剤師指導料・包括管理料は服薬管理指導料に統合され、単独の届出名称が無くなりました。新様式の名簿にある「服薬管理指導料の注1」を代理指標として数えた推定値です(告示・通知文の逐語確認はしていません)。「電子的調剤情報連携体制整備加算」は令和8年度改定で「医療DX推進体制整備加算」の後継と判断して数えた推定値です(同一制度の後継という対応関係は未確認)。このページがこれまで載せていた届出率は、改定前の版の名簿を店名で突き合わせて数えたものでした。並べると、かかりつけ薬剤師(服薬管理指導料の注1)は今回55.8%/これまで54.2%(差+1.6ポイント)、地域支援・医薬品供給対応体制加算は今回96.1%/これまで30.1%(差+66.0ポイント)、在宅薬学総合体制加算は今回29.9%/これまで36.1%(差-6.2ポイント)です。差の主な理由は3つで、(1)令和8年度改定で後発医薬品調剤体制加算が地域支援・医薬品供給対応体制加算に統合されたこと(地域支援の届出率が跳ね上がる)、(2)かかりつけ薬剤師指導料が服薬管理指導料に統合され、代理指標に切り替えたこと、(3)これまでが店名の突き合わせ、今回が医療機関コードでの集計であること。どちらかが誤りという意味ではありません。これから先は、47都道府県を同じ月の版でそろえた今回の数え方を主に使います。分母は名簿に載っている薬局の数で、このページの他の場所に出てくるGMIS由来の薬局数とは出典が違うため一致しません。また届出は「その体制をとると届け出た」という記録で、実際に提供された量ではありません。
このレポートの範囲と、正直な限界
- 【このレポートで言えること】地域単位(二次医療圏・市町)の薬局供給と、将来の高齢人口から見た需要の傾き。
- 【言えないこと】個々の薬局の経営状態・存続の見通しは扱いません。個店のランキングや閉局の予測は作りません。出店・撤退の判断はしません。
- 【この地図の色は圏内の相対値です】Lv1(福井県のページ)の色は絶対値、このページの色は圏内でのシェア移動です。意味が違うので、2つのページの色を直接見比べないでください。
- 【★閉局は市町別に出していません】福井県の閉局データは県計24件で、閉局データのある47都道府県で最も少なく、さらに近畿厚生局の月次PDFのうち福井県分の2026.3・2026.4号の2本が欠けています。市町に割ると1件が大きく効くため、このページでは件数も率も出しません。県全体の件数と、数えられる期間についてはLv1の注記をご覧ください。
- 【★院外処方せん率】この圏域の67.3%は、NDBの院内・院外の枚数(2023年・院内407,217枚/院外836,237枚)から計算した実績値で、福井県4医療圏のなかで最も高い値です。それでも全国平均80.7%には13.4ポイント届きません。分業率は医療機関側の体制で決まる部分が大きく、本レポートはその是非を判断しません。
- 【★薬局0軒の町について】池田町に調剤薬局はありません。福井県17市町で唯一です。隣接自治体の薬局が受け皿になっています。これは事実の記述であり、出店の可否についての判断は含みません。
- 【★小さい分母】薬局8軒未満の市町は南越前町です。薬局1〜2軒の自治体(南越前町)は、市町単位の集計がそのまま個店の記述になるため、本文の主役にせず、詳細ページ(Lv3)の対象からも外しています。届出率が0.0%/100.0%に張り付く市町があるのも同じ理由です。
- 【★届出率】GMISの自己申告に基づきます。この圏域は9つの機能フラグがすべて0の店が8軒=9.6%あり、1つ以上フラグが立つ75軒だけを分母にした感度値(かかりつけ60.0%・地域連携33.3%・在宅40.0%)を併記しています。他都道府県の公開値とは並べないでください。 なお本文の厚生局名簿版(施設基準届出受理医療機関名簿)は47都道府県を同じ月の版でそろえてあるので、そちらは県どうしの比較に使えます。
- 【★薬局の座標について】福井県の薬局335軒のうち18軒が同じ1点に座標を持っており、この圏域からも5軒が該当します(ジオコードのフォールバック点で、実際の所在地ではありません)。市町の割当ては届出上の市町村コードから行っているのでこのページの数字には影響しませんが、地図に薬局の点を打つ・距離を測る用途には使えません。
- 【処方せんの推計方法】NDBオープンデータの最小公表単位は二次医療圏です。市町別の値は、圏域の実績を市町の65歳以上人口で按分した推計であり、実測ではありません。
- 【薬局数は2025年で固定】1軒あたり処方せんの将来値は、薬局の数がいまのまま変わらないと置いた場合の数字です。
- 【徒歩アクセスは出せません】250mメッシュに福井県分が10448セル投入済み(2026-07-28時点)ですが、徒歩10分カバー率は算出できません(18店の再ジオコードが未済のため)。面積(1軒あたり何km²か)で代替しています。
- 【いま出していない数字】2045年の薬局店数の推計と、医療圏の「都市型/郊外型」分類は掲載していません。供給の統計モデルは47都道府県すべてを学習しましたが、福井県は閉局名簿の側の条件(収録期間・欠号)が足りず、適用可否表で「不可」と判定されているためです。他県で学習した値の流用はしません。
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丹南医療圏の市区町村レポート(A4・6ページ)
薬局の分布と、同じ医療圏の市区町村どうしの落差を1冊にまとめました。出典と作成時点を入れてあるので、そのまま社内やご相談の資料にお使いいただけます。受け取る地域をお選びください。
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似ている地域
全国335の二次医療圏から、人口規模・高齢化率・薬局の薄さ・医薬分業率で似ている圏を、同じ県を除いて探しました。
- 山梨県富士・東部 →245km人口規模1軒あたり面積高齢化率医薬分業率
- 愛媛県新居浜・西条 →352km人口規模1軒あたり面積高齢化率
- 奈良県東和 →154km人口規模1軒あたり人口1軒あたり面積
- 鳥取県東部 →189km人口規模1軒あたり面積高齢化率
- 京都府南丹 →110km医薬分業率人口規模1軒あたり面積
病院側
丹南の病院に、薬剤師はいるか
ここまでは薬局の話です。同じ圏域の病院側を、公表データから測りました。 退院した患者を受けとめる側と、送り出す側は地続きです。
- 病院
- 16件うち200床以上 1
- 薬剤管理指導料の届出
- 31.2%全国 65.8%
- 100床あたり常勤薬剤師
- 2.12人全国 4.76人
- 病棟薬剤業務実施加算
- 6.2%全国 27.8%
入院した患者に薬剤師が関わる基本の体制が薬剤管理指導料です。この圏域は全国より低い。 病棟に薬剤師を置く病棟薬剤業務実施加算まで届けている病院は6.2%(全国27.8%)です。都道府県と協力して自院の薬剤師を薬剤師不足地域の医療機関へ出向させている病院(薬剤業務向上加算)は、この圏域にはありません。全国でも68病院にとどまります。
通院で抗がん剤治療を行う体制(外来腫瘍化学療法診療料)を届け出ている病院は4件。 そのうち、治療計画を地域の薬局と共有して薬局側でも副作用を確認できるようにする体制 (連携充実加算)まで届け出ている病院は1件もありません(全国50.5%)。この圏域で外来がん治療を受ける人は、処方元と薬局のあいだで治療計画が渡らないまま薬を受け取ることになります。
届出=地方厚生局「届出受理医療機関名簿(医科)」令和8年8月1日現在(関東信越・東北は同7月1日現在)。 病院=病床20以上の医科医療機関。薬剤師数=厚生労働省「令和7年度 病床機能報告」施設票、 令和7年7月1日時点の常勤の実人数。この2つは基準日が1年ずれています。病床機能報告は一般病床または療養病床を持つ病院が対象で、精神病床だけの病院は載りません (この圏域では16件のうち11件が薬剤師数の分母)。 届出があること=算定していること、ではありません。 外来化学療法の内訳は、その届出が3件未満の圏域では伏せています(1〜2件で「連携0件」と書くと 特定の病院を指すことになるため)。個別の病院名は出していません。
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自治体・薬剤師会・研究者の方へ。この地域のより詳しい分析や、地域医療構想調整会議・研修でそのまま使える資料の作成を承ります(圏域ブリーフ ¥100,000〜)。個店のランキングや出店指南は行いません。
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