鳥取県西部医療圏

CrossHealth / 薬局持久度レポート

同じ医療圏の中に、日本のいちばん先と、まだ増える町があります

鳥取県西部医療圏の9市町村の薬局を、供給・高齢化・需要で見える化。色は圏内でのシェア移動です。

対象 鳥取県西部医療圏 9市町村期間 2025年 → 2045年概要版・無料

この記事の数字について:出所は公開データ(厚生局・薬局機能情報提供制度=GMIS・NDBオープンデータ・社会保障人口問題研究所の将来推計人口など)。分析期間は上の「対象・期間」のとおりで、将来値は推計であり幅があります。検算のやり方と不確実性の扱いは方法論のページ →で説明しています。

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西部医療圏の市区町村レポート(A4・6ページ)

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西部医療圏の調剤薬局は124軒。鳥取県269軒の46.1%で、県内3圏でいちばん大きい圏です。圏全体では65歳以上人口が-2.7%と、県内でいちばん減り方が小さい——けれども圏の中を見ると、日南町(-39.9%)から日吉津村(+13.9%)まで53.8ポイント開きます。これは県の圏域差8.2ポイントの6.6倍です。

9
圏内の市町村
124
圏内の薬局数
53.8
圏内の落差(ポイント)
-2.7%
圏全体の65歳以上人口の変化

圏の南に、日野郡の3町(日南町・日野町・江府町)があります。3町の高齢化率はすでに51.7〜54.9%——鳥取県全体が2045年に到達する高齢化率(39.7%)を、2025年の時点で12ポイント以上越えています。総人口は2045年までに41〜44%減り、65歳以上人口も34〜42%減ります。3町にある薬局は合わせて4軒です。いっぽう圏の中央、米子市の隣にある日吉津村は、総人口の減りが-2.4%にとどまり、65歳以上人口は+10.8%と増え、ピークは推計期間の最後(2050年)まで来ません。同じ医療圏の中で、これだけ違う時間が流れています。

地図 ── 地域差を見る薬局1軒あたり処方せんの、圏内でのシェア移動

色は圏内での相対値です。圏全体の処方せんを、その市町村の65歳以上人口のシェアで割り振ったうえで、2025→2045の変化を見ています。プラスは「圏の中で取り分が増える側」、マイナスは「減る側」という意味で、処方せんの実数が増えるという意味ではありません(圏全体では-2.7%です)。

Lv1(県)の地図とは意味が違います。県の地図は絶対値(その医療圏の処方せんが実際に増えるか)で、鳥取県は3圏ともマイナスでした。このページの色は圏内での相対値です。日吉津村の+13.9%は「圏の中で取り分が増える」という意味で、西部医療圏の実数は-2.7%です。

人口動態 ── 圏の中の時間差9市町村のうち7で、65歳以上人口はもう減っています

西部医療圏の総人口は220,092→185,365人(-15.8%)、65歳以上人口は74,046→72,031人(-2.7%)。高齢化率は33.6%→38.9%です。65歳以上人口がすでに2025年でピークを打っている市町村は7/9、推計期間の最後(2050年)まで増え続けるのは1です。

総人口65歳以上
0万8万15万22万30万20252030203520402045205018万7万
実データ(社人研 将来推計人口・2023年推計)。

地域の差 ── 圏内の落差取り分が増える市町村・減る市町村

日南町(-39.9%)から日吉津村(+13.9%)まで、圏内の落差は53.8ポイント。ただし日南町・日野町・江府町をはじめ7市町村は薬局が8軒未満で、1軒の開廃で数値が跳ねます。薬局が8軒以上あるのは米子市と境港市の2つだけです。

日南町
-39.9%
日野町
-36.6%
江府町
-32.2%
大山町
-18.8%
──── ここから需要が増える地域────
境港市
-3.1%
米子市
+10.1%
日吉津村
+13.9%

くわしい数字9市町村データ一覧

市区町村薬局高齢率
2025
1軒あたり処方せん
2025 → 2045
変化
米子市9430.5%10,077 → 11,090+10.1%
境港市1234.5%19,540 → 18,933-3.1%
伯耆町442.2%22,724 → 18,498-18.6%
日吉津村428.6%5,483 → 6,244+13.9%
大山町342.8%43,199 → 35,086-18.8%
南部町339.6%27,645 → 23,274-15.8%
日野町253.6%14,762 → 9,355-36.6%
日南町154.9%43,517 → 26,158-39.9%
江府町151.7%26,184 → 17,751-32.2%

※処方せんはNDBの医療圏別実績(2023年)を65歳以上人口で按分した推計で、市町村別の実測ではありません。薬局数は2025年時点で固定しています。閉局は2026年1月〜2026年4月(4ヶ月)の集計で、移転・承継を除いています。この期間は12ヶ月に満たない(4ヶ月)ため、他県の値とそのまま並べられません。圏内の閉局は市町村あたり0〜4件なので、市町村どうしの比較には使えません。届出率は薬局1〜4軒の町村では0.0%/100.0%に張り付きます。個店のランキングは作りません。

この地図の使い方(3段階のドリルダウン)

  • 鳥取県(Lv1)=3つの二次医療圏で「どの地域が細るか」をざっくり。
  • 西部医療圏(このページ・Lv2)=圏内の市町村で「同じ圏域の中の差」を見る。
  • 市町村(Lv3)=境界・薬局分布・経営シナリオまで。

西部医療圏 9市区町村すべての詳細レポート(薬局持久度レポート会員向け・有料)

医療圏の型 ── 競争で減るのか、需要で減るのかこの圏は郊外型(需要減)です

薬局が閉じていく筋道には、大きく2つあります。ひとつは近くに薬局が多く、競争のなかで数が絞られていく道(都市型)。もうひとつは周りに薬局が少ないまま、患者そのものが減っていく道(郊外型)。西部医療圏にいまある124軒それぞれについて、どちらの効き方が強いかを計算し、閉局の起こりやすさで重みづけて足し上げると、競争側の比率は0.43です(0.5以上なら都市型、それ未満なら郊外型)。この地域は郊外型(需要減)にあたります。需要の側は、この地域の総人口が2025→2045で-15.8%です。社人研の推計では、この地域は減り方が急な側(20年で15%超の減少)に入ります。全国47都道府県・335の二次医療圏・65,634行(うち移転や承継を除いた本当の閉局3,952件)を学習した統計モデルによる分類です。特定の地方だけで学んだモデルを他の県に当てはめたものではありません。共通の係数は47都道府県すべての実データから学習しており、この地域の値は、この地域に実際にある薬局の実測値から計算しています。名簿の欠号が45%あります。閉局の件数は下限値(実際はこれ以上)として扱ってください。中国地方は収録窓が短く、閉局率が過大側に振れている可能性があります。この分類は「どの筋道で薬局が減りやすい地域か」を示すもので、個々の薬局の見通しではありませんし、出店や撤退の判断もしません。

機能の届出 ── 厚生局の名簿で数える地域支援・医薬品供給対応体制加算の届出は95.9%です

薬局の機能は、これまで薬局機能情報提供制度(GMIS)の自己申告で数えていましたが、ここからは地方厚生局の「施設基準届出受理医療機関名簿」で数え直しています。西部医療圏でこの名簿に載っている保険薬局は122軒で、そのうち届出があるのは──地域支援・医薬品供給対応体制加算 117軒=95.9%、かかりつけ薬剤師(服薬管理指導料の注1)(推定) 72軒=59.0%、在宅薬学総合体制加算 56軒=45.9%、電子的調剤情報連携体制整備加算(推定) 104軒=85.2%です。名簿の版は令和8年7月1日版(東北厚生局=青森・岩手・宮城・秋田・山形・福島の6県のみ令和8年6月1日版。7月分が未公開のため入手可能な最新を使用)。8つの厚生局・47都道府県をすべて同じ月の版でそろえてあるので、県どうしを並べて比べられます(GMISの自己申告は県によって取り込みの穴があり、これができませんでした)。推定を含む項目があります。「かかりつけ薬剤師(服薬管理指導料の注1)」は令和8年度改定でかかりつけ薬剤師指導料・包括管理料は服薬管理指導料に統合され、単独の届出名称が無くなりました。新様式の名簿にある「服薬管理指導料の注1」を代理指標として数えた推定値です(告示・通知文の逐語確認はしていません)。「電子的調剤情報連携体制整備加算」は令和8年度改定で「医療DX推進体制整備加算」の後継と判断して数えた推定値です(同一制度の後継という対応関係は未確認)。このページがこれまで載せていた届出率は、改定前の版の名簿を店名で突き合わせて数えたものでした。並べると、かかりつけ薬剤師(服薬管理指導料の注1)は今回59.0%/これまで67.7%(差-8.7ポイント)、地域支援・医薬品供給対応体制加算は今回95.9%/これまで48.4%(差+47.5ポイント)、在宅薬学総合体制加算は今回45.9%/これまで50.0%(差-4.1ポイント)です。差の主な理由は3つで、(1)令和8年度改定で後発医薬品調剤体制加算が地域支援・医薬品供給対応体制加算に統合されたこと(地域支援の届出率が跳ね上がる)、(2)かかりつけ薬剤師指導料が服薬管理指導料に統合され、代理指標に切り替えたこと、(3)これまでが店名の突き合わせ、今回が医療機関コードでの集計であること。どちらかが誤りという意味ではありません。これから先は、47都道府県を同じ月の版でそろえた今回の数え方を主に使います。分母は名簿に載っている薬局の数で、このページの他の場所に出てくるGMIS由来の薬局数とは出典が違うため一致しません。また届出は「その体制をとると届け出た」という記録で、実際に提供された量ではありません。

このレポートの範囲と、正直な限界

  • 【このレポートで言えること】地域単位(二次医療圏・市町村)の薬局供給と、将来の高齢人口から見た需要の傾き。個々の薬局の経営状態は扱いません。
  • 【言えないこと】個店のランキング・名指しの閉局予測・出店の助言は作りません。事実をお見せし、判断は読み手に委ねます。
  • 【★このページの色は圏内の相対値です】圏全体の処方せんを65歳以上人口のシェアで割り振ったうえでの変化です。県のページ(Lv1)の色は絶対値で、意味が違います。西部医療圏の実数は-2.7%で、鳥取県は3圏ともマイナスです。
  • 【★閉局の集計期間が12ヶ月ありません】中国四国厚生局の廃止機関一覧表は処理月2025-07〜2026-06の12ヶ月ぶんしか索引に無く、さらに鳥取県だけ処理月2025-08・2025-12が欠けています。連続してそろうのは2026年1月〜2026年4月(4ヶ月)(4ヶ月)だけで、参考として2025年7月〜2026年4月(10ヶ月)(下限)も併記しています。他県の12ヶ月窓・暦年2025の値とそのまま並べないでください。
  • 【★閉局は県計でのみ読んでください】既定窓の真の閉局は鳥取県全体で2件、西部医療圏では1件です。市町村別は0〜4件で、率にすると1件で大きく振れます。圏別・市町村別の閉局率はJSONに入れていますが、順位づけには使えません。
  • 【★廃止届=閉局ではありません】鳥取県で収録されている廃止届34件のうち29件は移転・承継で、うち21件はたった2つの廃止日にまとまって出されたものです(機関コードの一括再発行)。廃止届の総数を閉局として読まないでください。
  • 【★「薬局0軒」という言い方をしません】薬局の数え方は出典で変わります。このページはGMIS(2025-12-01時点)の数ですが、中国四国厚生局の現存保険薬局一覧(令和8年7月1日現在)とは市町村ごとに最大2軒ずれます。西部医療圏に薬局0軒の市町村はありませんが、県内の岩美町はGMISでは0軒・厚生局の一覧では1軒です。
  • 【小さい分母】9市町村のうち7が薬局8軒未満です(日南町1軒・日野町2軒・江府町1軒・大山町3軒・伯耆町4軒・南部町3軒・日吉津村4軒)。薬局が8軒以上あるのは米子市(94軒)と境港市(12軒)だけで、1軒あたり処方せん・届出率はこの2つ以外では数字として読まないでください。
  • 【市町村別の処方せんは実測ではありません】NDBの最小公表単位が二次医療圏のため、圏の実績を65歳以上人口で按分した推計です。薬局1軒の町の「1軒あたり43,517枚」のような値は実測ではなく、1店の開廃で跳ねます。
  • 【処方せんは院外だけの数字】西部医療圏の院外処方せん率は75.3%で、院内の526,449枚は含まれていません。「1軒あたり12,954枚」は薬局に来ている分であって、地域の処方総量ではありません。
  • 【薬局数は2025年で固定】開局・閉局による店数の変化は含みません。2045年の店数の推計は県ページと同じく外しています(都市型/郊外型の分類は掲載に切り替えました)。
  • 【機能の届出率】GMISの自己申告です。西部医療圏は9つの機能フラグがすべて0の店が4/124店=3.2%で、県全体(5.6%)より低い状態です。ただし薬局1〜4軒の町村では0.0%/100.0%に張り付くため、市町村どうしの比較はできません。
  • 【徒歩アクセスは出せません】250mメッシュの人口基盤に鳥取県分が8,910セル投入済みです。ただし「徒歩10分以内カバー率」は本レポートにはまだ算出できません=次回更新で追加予定です。代わりに面積(薬局1軒あたり9.7km²)を載せていますが、人の住まない山地も含む面積で、住民から薬局までの距離ではありません。
  • 【医療圏の区分】国土数値情報A38由来の医療圏マスタ(NDBの335圏と一致・第8次医療計画準拠)に従っています。
  • 【将来人口】国立社会保障・人口問題研究所「日本の地域別将来推計人口(2023年推計)」。推計であり、実績ではありません。

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西部医療圏の市区町村レポート(A4・6ページ)

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病院側

西部の病院に、薬剤師はいるか

ここまでは薬局の話です。同じ圏域の病院側を、公表データから測りました。 退院した患者を受けとめる側と、送り出す側は地続きです。

病院
19うち200床以上 5
薬剤管理指導料の届出
63.2%全国 65.8%
100床あたり常勤薬剤師
4.81全国 4.76人
病棟薬剤業務実施加算
15.8%全国 27.8%

入院した患者に薬剤師が関わる基本の体制が薬剤管理指導料です。この圏域は全国とほぼ同じ。 病棟に薬剤師を置く病棟薬剤業務実施加算まで届けている病院は15.8%(全国27.8%)です。都道府県と協力して自院の薬剤師を薬剤師不足地域の医療機関へ出向させている病院(薬剤業務向上加算)は、この圏域にはありません。全国でも68病院にとどまります。

通院で抗がん剤治療を行う体制(外来腫瘍化学療法診療料)を届け出ている病院は6件。 そのうち、治療計画を地域の薬局と共有して薬局側でも副作用を確認できるようにする体制 (連携充実加算)まで届け出ている病院は3件(50%)です(全国50.5%)。

届出=地方厚生局「届出受理医療機関名簿(医科)」令和8年8月1日現在(関東信越・東北は同7月1日現在)。 病院=病床20以上の医科医療機関。薬剤師数=厚生労働省「令和7年度 病床機能報告」施設票、 令和7年7月1日時点の常勤の実人数。この2つは基準日が1年ずれています。病床機能報告は一般病床または療養病床を持つ病院が対象で、精神病床だけの病院は載りません (この圏域では19件のうち16件が薬剤師数の分母)。 届出があること=算定していること、ではありません。 外来化学療法の内訳は、その届出が3件未満の圏域では伏せています(1〜2件で「連携0件」と書くと 特定の病院を指すことになるため)。個別の病院名は出していません。

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自治体・薬剤師会・研究者の方へ。この地域のより詳しい分析や、地域医療構想調整会議・研修でそのまま使える資料の作成を承ります(圏域ブリーフ ¥100,000〜)。個店のランキングや出店指南は行いません。

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