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CrossHealth / 薬局持久度レポート
圏内の落差49ポイントは、県内でいちばん大きい
印旛医療圏9市町の薬局を、供給・高齢化・経営体力・徒歩アクセスで見える化。市区町村ごとの詳細レポートは順次公開します。
この記事の数字について:出所は公開データ(厚生局・薬局機能情報提供制度=GMIS・NDBオープンデータ・社会保障人口問題研究所の将来推計人口など)。分析期間は上の「対象・期間」のとおりで、将来値は推計であり幅があります。検算のやり方と不確実性の扱いは方法論のページ →で説明しています。
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印旛医療圏の市区町村レポート(A4・6ページ)
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印旛医療圏は9市町・薬局342店。圏全体の需要は2050年まで+9.7%と伸びる側です。けれど圏内の「経営体力」の開きは栄町の-28.7%から印西市の+20.7%まで49ポイント——県内9圏域でいちばん大きい。成長する圏域の内側の分断が、この圏の主題です。
四街道市・白井市・成田市・印西市の4市では、絶対量の需要が+10.6〜+33.0%伸びます。いっぽう圏の縁では、栄町・酒々井町の2町がすでに65歳以上人口のピーク(2025年)を過ぎました。とくに栄町は高齢化率43.9%・65歳以上-21.4%で、1軒あたり処方せんは27,680枚——圏平均12,632枚の2.2倍です。薬局6軒の町なので1軒の開廃で数字は大きく振れますが、「担い手が足りないまま細る」という向きは数字のとおりです。徒歩アクセスにも同じ分断が出ます。圏全体では66.4%が徒歩10分以内ですが、八街市は34.5%——圏内で唯一4割を切り、最も厚い四街道市(83.1%)とは48.6ポイント差です。閉局は2025年に3軒(0.9%)と少なく、むしろ移転・承継が9件と多い。圏として崩れてはいない——けれど同じ圏の中に、伸びる市と閉じていく町が同居しています。
地図 ── 地域差を見る薬局1軒あたり処方せんの、市町ごとの将来
色は薬局1軒あたり処方せんの2025→2045変化(=経営体力・圏内相対)。いちばん赤いのが栄町(-28.7%)、いちばん緑なのが印西市(+20.7%)で、同じ医療圏の中に49ポイントの開きがあります。これは千葉県の9医療圏でいちばん大きな圏内差です。
徒歩アクセス ── 歩いて行けるか圏内2市町では、住民の半分以上が薬局まで徒歩10分より遠い
250mメッシュごとに、最寄りの薬局まで実際の道路を歩いて何分かかるかを計算しました(OSRM実道路網)。印旛医療圏で徒歩10分以内に住む人は66.4%で、県平均の79.0%に対して県平均を下回ります。241,453人が徒歩10分圏の外に住んでいます。市町別では八街市の34.5%から四街道市の83.1%まで開きます。
人口動態 ── 需要の源伸びる圏域の中に、ピークを過ぎた町が2つある
総人口は718,607→638,193人(-11.2%)、65歳以上は216,285→237,347人(+9.7%)。高齢化率は30.1%→37.2%です。栄町・酒々井町では65歳以上人口のピークがすでに2025年に来ており、処方せんの受け手そのものが減る局面に入っています。
医療計画 ── 県の記述県の医療計画は、この圏域をどう書いているか
県が公表した保健医療計画の本文を、原文のまま引用しています(要約・言い換えはしていません)。
また、特に医療提供体制の強化・充実を目指すこととされている周産期や救急医療分野(産科、新生児科、救急科)を目指す修学資金受給者に対しては、県と関係医療機関とが連携し、キャリア形成についての配慮を行う等して、その確保を図ります。
千葉県保健医療計画 別冊_第1章〜第5章 PDF 96ページ医療圏内の医療機関からは、精神疾患、認知症及び初期救急に係る外来診療体制について不足感が強い状況です。
千葉県保健医療計画 別冊_第1章〜第5章 PDF 81ページ○三次救急医療*体制重篤救急患者のための医療を提供する救命救急センター*として、地域医療の中核を担う成田赤十字病院及び日本医科大学千葉北総病院について、医療提供体制の充実を図ります。
千葉県保健医療計画 別冊_第1章〜第5章 PDF 94ページ並べているのは「県の計画にこう書いてある」という事実と、実データの数字です。計画の是非は論じません。
地域の差 ── 市町差
くわしい数字9市町データ一覧
| 市区町村 | 薬局 | 高齢率 2025 | 1軒あたり処方せん 2025 → 2050 | 変化 |
|---|---|---|---|---|
| 佐倉市 | 90 | 34.5% | 12,651 → 11,541 | -8.8% |
| 成田市 | 66 | 24.9% | 10,140 → 11,321 | +11.6% |
| 四街道市 | 45 | 28.8% | 12,196 → 12,233 | +0.3% |
| 印西市 | 41 | 24.9% | 13,297 → 16,043 | +20.7% |
| 八街市 | 32 | 35.2% | 14,064 → 12,784 | -9.1% |
| 富里市 | 25 | 30.2% | 11,789 → 11,030 | -6.4% |
| 白井市 | 25 | 29.8% | 14,805 → 16,221 | +9.6% |
| 酒々井町 | 12 | 34.1% | 11,432 → 9,763 | -14.6% |
| 栄町 | 6 | 43.9% | 27,680 → 19,729 | -28.7% |
※処方せんは印旛医療圏のNDB実績(2023年・年間4,320,035枚)を高齢人口で按分した推計です。個店のランキングは作りません。
この地図の使い方(3段階のドリルダウン)
- 千葉県(ひとつ上・Lv1)=9つの二次医療圏で「どの地域が細るか」をざっくり。
- 印旛医療圏(このページ・Lv2)=9市町で「同じ圏域の中の差」を見る。
- 市区町村(詳細・Lv3)=境界・薬局分布・徒歩アクセス・経営シナリオまで(受注生産)。
医療圏の型 ── 競争で減るのか、需要で減るのかこの圏は都市型(競争淘汰)です
薬局が閉じていく筋道には、大きく2つあります。ひとつは近くに薬局が多く、競争のなかで数が絞られていく道(都市型)。もうひとつは周りに薬局が少ないまま、患者そのものが減っていく道(郊外型)。印旛医療圏にいまある342軒それぞれについて、どちらの効き方が強いかを計算し、閉局の起こりやすさで重みづけて足し上げると、競争側の比率は0.57です(0.5以上なら都市型、それ未満なら郊外型)。この地域は都市型(競争淘汰)にあたります。需要の側は、この地域の総人口が2025→2045で-8.6%です。全国47都道府県・335の二次医療圏・65,634行(うち移転や承継を除いた本当の閉局3,952件)を学習した統計モデルによる分類です。特定の地方だけで学んだモデルを他の県に当てはめたものではありません。共通の係数は47都道府県すべての実データから学習しており、この地域の値は、この地域に実際にある薬局の実測値から計算しています。この分類は「どの筋道で薬局が減りやすい地域か」を示すもので、個々の薬局の見通しではありませんし、出店や撤退の判断もしません。
機能の届出 ── 厚生局の名簿で数える地域支援・医薬品供給対応体制加算の届出は89.7%です
薬局の機能は、これまで薬局機能情報提供制度(GMIS)の自己申告で数えていましたが、ここからは地方厚生局の「施設基準届出受理医療機関名簿」で数え直しています。印旛医療圏でこの名簿に載っている保険薬局は319軒で、そのうち届出があるのは──地域支援・医薬品供給対応体制加算 286軒=89.7%、かかりつけ薬剤師(服薬管理指導料の注1)(推定) 182軒=57.1%、在宅薬学総合体制加算 134軒=42.0%、電子的調剤情報連携体制整備加算(推定) 256軒=80.3%です。名簿の版は令和8年7月1日版(東北厚生局=青森・岩手・宮城・秋田・山形・福島の6県のみ令和8年6月1日版。7月分が未公開のため入手可能な最新を使用)。8つの厚生局・47都道府県をすべて同じ月の版でそろえてあるので、県どうしを並べて比べられます(GMISの自己申告は県によって取り込みの穴があり、これができませんでした)。推定を含む項目があります。「かかりつけ薬剤師(服薬管理指導料の注1)」は令和8年度改定でかかりつけ薬剤師指導料・包括管理料は服薬管理指導料に統合され、単独の届出名称が無くなりました。新様式の名簿にある「服薬管理指導料の注1」を代理指標として数えた推定値です(告示・通知文の逐語確認はしていません)。「電子的調剤情報連携体制整備加算」は令和8年度改定で「医療DX推進体制整備加算」の後継と判断して数えた推定値です(同一制度の後継という対応関係は未確認)。このページがこれまで載せていた届出率は、改定前の版の名簿を店名で突き合わせて数えたものでした。並べると、かかりつけ薬剤師(服薬管理指導料の注1)は今回57.1%/これまで61.2%(差-4.1ポイント)、地域支援・医薬品供給対応体制加算は今回89.7%/これまで38.2%(差+51.5ポイント)、在宅薬学総合体制加算は今回42.0%/これまで43.4%(差-1.4ポイント)です。差の主な理由は3つで、(1)令和8年度改定で後発医薬品調剤体制加算が地域支援・医薬品供給対応体制加算に統合されたこと(地域支援の届出率が跳ね上がる)、(2)かかりつけ薬剤師指導料が服薬管理指導料に統合され、代理指標に切り替えたこと、(3)これまでが店名の突き合わせ、今回が医療機関コードでの集計であること。どちらかが誤りという意味ではありません。これから先は、47都道府県を同じ月の版でそろえた今回の数え方を主に使います。分母は名簿に載っている薬局の数で、このページの他の場所に出てくるGMIS由来の薬局数とは出典が違うため一致しません。また届出は「その体制をとると届け出た」という記録で、実際に提供された量ではありません。
このレポートの範囲と、正直な限界
- 【このレポートで言えること】地域単位(都道府県・二次医療圏・市区町村)の薬局供給と、将来の高齢人口から見た需要の傾き、そして徒歩でのアクセスです。地域の持続可能性を映すためのものです。
- 【言えないこと】個々の薬局の経営状態・存続の見通しは一切わかりませんし、扱いません。個店のランキングや「この店は潰れる」といった予測は作りません。出店・撤退の判断もしません。事実をお見せし、判断は読み手に委ねます。
- 【処方せんの推計方法】印旛医療圏の院外処方せん実績(NDB 2023年・年間4,320,035枚)を、市区町村ごとの65歳以上人口シェアで按分した推計です。市区町村別の実処方せんは公表されていません(NDBの最小単位が二次医療圏のため)。
- 【「経営体力の変化」の意味】圏域全体の処方せん総数を現在の水準に固定したうえで、圏内での高齢人口シェアの移動だけを見た相対値です。圏全体として処方せんが増えるか減るかは別で、この圏域は2025年を100として2050年に109.7——つまり圏全体では+9.7%増えます。表の「絶対量ベース」列(chg_abs)が、その地域の実数としての増減です。
- 【薬局数は2025年で固定】市区町村別の推計では、薬局の数はいまのまま変わらないと置いています。
- 【閉局の数え方】関東信越厚生局の保険薬局「廃止」情報のうち、届出に新機関コード(=別のコードで事業が続く移転・承継)の記載がないものだけを「閉局」として数えています。2025年の千葉県は、廃止届115件のうち移転・承継が73件、閉局が42件でした。※ 公開済みの大阪府版レポートは、この移転・承継を分けずに廃止届の全件を「閉局」として数えています。県をまたいで件数を比べるときはご注意ください。
- 【件数は2026-07-27時点の名簿(関東信越厚生局・2026.7号まで)の値】廃止情報は名簿への掲載が届出から遅れることがあり、ここに載せた年別の件数は下限です。同じ年の件数が、名簿の更新により今後増えることがあります。
- 【閉局の地域割当て】原則は届出座標の市区町村境界への点内判定ですが、全件の住所照合で座標と届出住所が食い違ったもの(1件)は届出上の所在地を優先し、住所欄が欠けて市区町村を特定できず座標も実在の所在地を示さないもの(1件)は圏・市区町村の集計から外しています(県の合計には含まれます)。
- 【徒歩アクセス】250mメッシュの人口(国勢調査ベースの将来人口メッシュ)ごとに、最寄りの調剤薬局までの徒歩時間をOSRM(OpenStreetMapの実道路網・徒歩プロファイル)で計算した実経路ベースの値です。坂・信号・バスは考慮していません。市区町村の境をまたいだ最寄り薬局も「近い」と数えています(郊外では市境をまたぐ通院がふつうのため)。※ 県版(Lv1)ページの医療圏別の徒歩カバー率には、直線距離による旧方式の値が残っている圏域があります。方式の違いにより本ページの値と一致しないことがあります(順次、実道路網の値に更新されます)。
- 【薬局の範囲】調剤を行う薬局のみを対象とし、調剤をしないドラッグストア専業は含みません。位置は届出座標にもとづき、国土数値情報の市区町村境界への点内判定で地域に割り当てています。
- 【将来人口】国立社会保障・人口問題研究所「日本の地域別将来推計人口(2023年推計)」。推計であり、実績ではありません。
- 【機能の届出率】かかりつけ薬剤師指導料・地域連携薬局・在宅対応などの届出状況は薬局機能情報提供制度(GMIS)の自己申告にもとづき、申告データのある309店を分母にしています(対象342店のうち)。届出=実際の提供実績ではありません。
- 【小さすぎる分母】栄町は薬局が8軒に満たない自治体です(9市区町村中1)。1軒あたりの数値は1店の開廃で大きく振れるため、傾向としてのみお読みください。
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印旛医療圏の市区町村レポート(A4・6ページ)
薬局の分布と、同じ医療圏の市区町村どうしの落差を1冊にまとめました。出典と作成時点を入れてあるので、そのまま社内やご相談の資料にお使いいただけます。受け取る地域をお選びください。
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似ている地域
全国335の二次医療圏から、人口規模・高齢化率・薬局の薄さ・医薬分業率で似ている圏を、同じ県を除いて探しました。
病院側
印旛の病院に、薬剤師はいるか
ここまでは薬局の話です。同じ圏域の病院側を、公表データから測りました。 退院した患者を受けとめる側と、送り出す側は地続きです。
- 病院
- 30件うち200床以上 13
- 薬剤管理指導料の届出
- 80%全国 65.8%
- 100床あたり常勤薬剤師
- 5.16人全国 4.76人
- 病棟薬剤業務実施加算
- 50%全国 27.8%
入院した患者に薬剤師が関わる基本の体制が薬剤管理指導料です。この圏域は全国より高い。 病棟に薬剤師を置く病棟薬剤業務実施加算まで届けている病院は50%(全国27.8%)です。都道府県と協力して自院の薬剤師を薬剤師不足地域の医療機関へ出向させている病院(薬剤業務向上加算)は、この圏域にはありません。全国でも68病院にとどまります。
通院で抗がん剤治療を行う体制(外来腫瘍化学療法診療料)を届け出ている病院は9件。 そのうち、治療計画を地域の薬局と共有して薬局側でも副作用を確認できるようにする体制 (連携充実加算)まで届け出ている病院は4件(44.4%)です(全国50.5%)。
届出=地方厚生局「届出受理医療機関名簿(医科)」令和8年8月1日現在(関東信越・東北は同7月1日現在)。 病院=病床20以上の医科医療機関。薬剤師数=厚生労働省「令和7年度 病床機能報告」施設票、 令和7年7月1日時点の常勤の実人数。この2つは基準日が1年ずれています。病床機能報告は一般病床または療養病床を持つ病院が対象で、精神病床だけの病院は載りません (この圏域では30件のうち22件が薬剤師数の分母)。 届出があること=算定していること、ではありません。 外来化学療法の内訳は、その届出が3件未満の圏域では伏せています(1〜2件で「連携0件」と書くと 特定の病院を指すことになるため)。個別の病院名は出していません。
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自治体・薬剤師会・研究者の方へ。この地域のより詳しい分析や、地域医療構想調整会議・研修でそのまま使える資料の作成を承ります(圏域ブリーフ ¥100,000〜)。個店のランキングや出店指南は行いません。
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