香川県西部(二次医療圏)

CrossHealth / 薬局持久度レポート

同じ圏の中で、増える町と2割減る町が隣り合っている

西部医療圏10市町の薬局を、供給・高齢化・経営体力で見える化。市区町村ごとの詳細レポートは順次公開します。

対象 西部医療圏 10市町期間 2025年 → 2045年概要版・無料

この記事の数字について:出所は公開データ(厚生局・薬局機能情報提供制度=GMIS・NDBオープンデータ・社会保障人口問題研究所の将来推計人口など)。分析期間は上の「対象・期間」のとおりで、将来値は推計であり幅があります。検算のやり方と不確実性の扱いは方法論のページ →で説明しています。

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西部医療圏の市区町村レポート(A4・6ページ)

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西部医療圏(丸亀市・坂出市・観音寺市・三豊市・善通寺市・綾川町・多度津町・宇多津町・まんのう町・琴平町)は、薬局227軒。香川県で2番目に薬局の多い圏域で、構成する市町の数は10と県内最多です。65歳以上人口は2045年までに-6.3%と減り、ピークはすでに2025年——つまりもう減りはじめています。10市町のうち8市町がピークを通過済みで、8市町は2045年までに65歳以上人口そのものが減ります。それでも市町ごとの落差は50.1ポイントあり、同じ圏域の中で起きていることはまったく同じではありません。

10
西部医療圏の市町(県内最多)
227
圏内の薬局数
2
直近12ヶ月に閉じた薬局(承継・移転を除く)
-16〜+37%
経営体力の変化レンジ(市町差)

西部医療圏で目を引くのは、両端の2つです。ひとつは宇多津町。65歳以上人口が2045年までに+28.4%と増えます(総人口は-8.1%)。香川県17市町のなかで65歳以上人口が増えるのは高松市・丸亀市・宇多津町の3市町だけで、この圏にはそのうち2つがあります。高齢化率23.1%→32.3%は県内で最も低く、薬局10軒に対して面積は1軒あたり0.8km²——香川県で最も薬局が密に置かれた自治体でもあります。もうひとつは琴平町で、65歳以上人口は-21.7%、総人口は-33.5%。経営体力(薬局1軒あたり処方せんの2025→2045変化・圏内での相対値)で見ると、いちばん伸びるのが宇多津町(+37.1%)、いちばん沈むのが琴平町(-16.4%)で、その差は53.5ポイント。香川県の3医療圏どうしの差(29.6ポイント)の1.8倍です。二次医療圏という単位が何を隠すかが、この圏でいちばんよく見えます。いまの水準も見ておきます。薬局1軒あたりの処方せんがいちばん多いのは三豊市の17,087枚、いちばん少ないのが琴平町の9,205枚で、1.86倍の開きがあります。薬局が最も密なのは宇多津町(0.8km²に1軒)、最も疎なのがまんのう町(21.6km²に1軒)で、27.0倍です。圏内でいちばん薬局が多いのは丸亀市の62軒ですが、それでも圏内シェアは27.3%——東部医療圏の高松市が圏の81.5%を占めるのとは対照的に、この圏には突出した1市がありません。機能の届出では、かかりつけ薬剤師指導料の届出率が72.2%で県平均(71.2%)を上回り、3医療圏で1位。一方で在宅患者訪問薬剤管理指導は44.9%で2位です。院外処方せん率は79.3%で県平均76.8%より高く、3医療圏で最も分業が進んでいます。それでも圏内の医療機関では年間760,828枚が院内で出ています。閉局については、この12ヶ月に出た廃止届は4件で、うち2件は移転・承継。そのまま消えたのは2軒でした。この件数は市町ごとの比較に耐える量ではありません。閉局は圏の合計としてだけお読みください。多年に広げて件数を増やすこともできません——廃止名簿の収録が2024年11月以降しか確認できないためです。

地図 ── 地域差を見る薬局1軒あたり処方せんの、市町ごとの将来

色は薬局1軒あたり処方せんの2025→2045変化(=経営体力)。緑=圏内で相対的に増える、赤=減る。いちばん緑なのが宇多津町(+37.1%)、いちばん赤いのが琴平町(-16.4%)で、同じ西部医療圏の中に53.5ポイントの開きがあります。この色は圏内での相対値である点にご注意ください。圏全体では処方せん需要が-6.3%と減る推計なので、緑の市町も絶対量で楽になるとは限りません(絶対量の変化は各市町の chg_abs をご覧ください)。

人口動態 ── 需要の源西部医療圏は「もう増えない」側にいます

なぜ市町で明暗が分かれるのか。もとをたどると人口の動きです。西部医療圏全体では、総人口が38.3万→31.2万人(-18.6%)と減り、65歳以上も13.0万→12.2万人(-6.3%)と減ります。高齢化率は34.0%→39.1%へ上がりますが、それは総人口がもっと速く減るからです。65歳以上のピークは2025年——推計の起点の年で、つまり高齢者の実数はもう減りはじめている、という意味です。圏内10市町のうち8市町がこのピーク済みの側にいます。香川県全体でも3医療圏のうち2圏がピーク済みで、県の65歳以上人口は2045年までに-1.7%減ります。西部医療圏は、その中でも減り方が2番目に大きい圏域です。

総人口65歳以上
0万10万20万30万40万20252030203520402045205029万12万
実データ(社人研 将来推計人口・2023年推計)。総人口・65歳以上人口とも減少し、65歳以上のピークは2025年。

地域の差 ── 市町の差圏内で相対的に厚くなる市町・薄くなる市町

琴平町(-16.4%)から宇多津町(+37.1%)まで53.5ポイントの開き。この圏域は10市町とも薬局が8軒以上あり、「薬局8軒未満の自治体も、薬局1〜2軒の自治体も含まない」圏域は香川県で1つ(西部)だけです(県内には薬局1軒の町もあり、そこでは市町単位の数値がそのまま個店の話になってしまいます)。広さの差も見ておきます。薬局1軒あたりの面積は宇多津町の0.8km²からまんのう町の21.6km²まで27.0倍開きます。

琴平町
-16.4%
まんのう町
-13.0%
三豊市
-7.9%
綾川町
-7.4%
善通寺市
-6.6%
──── ここから需要が増える地域────
多度津町
+1.1%
丸亀市
+14.1%
宇多津町
+37.1%

くわしい数字10市町データ一覧

市区町村薬局高齢率
2025
1軒あたり処方せん
2025 → 2045
変化
丸亀市6229.8%11,630 → 13,267+14.1%
坂出市3536.9%11,367 → 10,706-5.8%
観音寺市3135.5%13,997 → 13,404-4.2%
三豊市2938.0%17,087 → 15,736-7.9%
善通寺市1732.5%12,605 → 11,774-6.6%
綾川町1537.8%12,184 → 11,287-7.4%
多度津町1133.2%14,676 → 14,839+1.1%
宇多津町1023.1%9,693 → 13,285+37.1%
まんのう町940.4%16,059 → 13,968-13.0%
琴平町842.4%9,205 → 7,695-16.4%

※処方せん需要は西部医療圏全体の実績(NDB)を市町の高齢人口で按分した推計です。閉局は圏の合計としてのみお読みください(市町別は件数が少なすぎます)。個店のランキングは作りません。

この地図の使い方(3段階のドリルダウン)

  • 香川県(ひとつ上・Lv1)=3つの二次医療圏で「どの地域が細るか」をざっくり。
  • 西部医療圏(このページ・Lv2)=10市町で「同じ圏域の中の差」を見る。
  • 市町(詳細・Lv3)=境界・薬局分布・経営シナリオまで。

西部医療圏 10市区町村すべての詳細レポート(薬局持久度レポート会員向け・有料)

医療圏の型 ── 競争で減るのか、需要で減るのかこの圏は郊外型(需要減)です

薬局が閉じていく筋道には、大きく2つあります。ひとつは近くに薬局が多く、競争のなかで数が絞られていく道(都市型)。もうひとつは周りに薬局が少ないまま、患者そのものが減っていく道(郊外型)。西部医療圏にいまある227軒それぞれについて、どちらの効き方が強いかを計算し、閉局の起こりやすさで重みづけて足し上げると、競争側の比率は0.31です(0.5以上なら都市型、それ未満なら郊外型)。この地域は郊外型(需要減)にあたります。需要の側は、この地域の総人口が2025→2045で-18.6%です。社人研の推計では、この地域は減り方が急な側(20年で15%超の減少)に入ります。全国47都道府県・335の二次医療圏・65,634行(うち移転や承継を除いた本当の閉局3,952件)を学習した統計モデルによる分類です。特定の地方だけで学んだモデルを他の県に当てはめたものではありません。共通の係数は47都道府県すべての実データから学習しており、この地域の値は、この地域に実際にある薬局の実測値から計算しています。名簿の欠号が54%あります。閉局の件数は下限値(実際はこれ以上)として扱ってください。この分類は「どの筋道で薬局が減りやすい地域か」を示すもので、個々の薬局の見通しではありませんし、出店や撤退の判断もしません。

機能の届出 ── 厚生局の名簿で数える地域支援・医薬品供給対応体制加算の届出は90.6%です

薬局の機能は、これまで薬局機能情報提供制度(GMIS)の自己申告で数えていましたが、ここからは地方厚生局の「施設基準届出受理医療機関名簿」で数え直しています。西部医療圏でこの名簿に載っている保険薬局は223軒で、そのうち届出があるのは──地域支援・医薬品供給対応体制加算 202軒=90.6%、かかりつけ薬剤師(服薬管理指導料の注1)(推定) 150軒=67.3%、在宅薬学総合体制加算 86軒=38.6%、電子的調剤情報連携体制整備加算(推定) 175軒=78.5%です。名簿の版は令和8年7月1日版(東北厚生局=青森・岩手・宮城・秋田・山形・福島の6県のみ令和8年6月1日版。7月分が未公開のため入手可能な最新を使用)。8つの厚生局・47都道府県をすべて同じ月の版でそろえてあるので、県どうしを並べて比べられます(GMISの自己申告は県によって取り込みの穴があり、これができませんでした)。推定を含む項目があります。「かかりつけ薬剤師(服薬管理指導料の注1)」は令和8年度改定でかかりつけ薬剤師指導料・包括管理料は服薬管理指導料に統合され、単独の届出名称が無くなりました。新様式の名簿にある「服薬管理指導料の注1」を代理指標として数えた推定値です(告示・通知文の逐語確認はしていません)。「電子的調剤情報連携体制整備加算」は令和8年度改定で「医療DX推進体制整備加算」の後継と判断して数えた推定値です(同一制度の後継という対応関係は未確認)。このページがこれまで載せていた届出率は、改定前の版の名簿を店名で突き合わせて数えたものでした。並べると、かかりつけ薬剤師(服薬管理指導料の注1)は今回67.3%/これまで72.2%(差-4.9ポイント)、地域支援・医薬品供給対応体制加算は今回90.6%/これまで50.2%(差+40.4ポイント)、在宅薬学総合体制加算は今回38.6%/これまで44.9%(差-6.3ポイント)です。差の主な理由は3つで、(1)令和8年度改定で後発医薬品調剤体制加算が地域支援・医薬品供給対応体制加算に統合されたこと(地域支援の届出率が跳ね上がる)、(2)かかりつけ薬剤師指導料が服薬管理指導料に統合され、代理指標に切り替えたこと、(3)これまでが店名の突き合わせ、今回が医療機関コードでの集計であること。どちらかが誤りという意味ではありません。これから先は、47都道府県を同じ月の版でそろえた今回の数え方を主に使います。分母は名簿に載っている薬局の数で、このページの他の場所に出てくるGMIS由来の薬局数とは出典が違うため一致しません。また届出は「その体制をとると届け出た」という記録で、実際に提供された量ではありません。

このレポートの範囲と、正直な限界

  • 薬局数は `pharmacies`(香川県・調剤あり)のうち西部医療圏の227軒。調剤をしないドラッグストア専業は除いています。
  • 市町→二次医療圏の対応は `medical_area_master` を唯一の正としています。
  • 薬局の位置は届出上の市町村コード。227軒すべてにあり、座標からの推定で補った店は0軒です。
  • 地図の色(chg)は圏内での相対値です。圏全体では需要が-6.3%と減るため、色が緑でも絶対量が増えるとは限りません。絶対量の変化は各市町の `chg_abs` を見てください。
  • 閉局は2025年5月〜2026年4月(12ヶ月)の12ヶ月。廃止届4件のうち2件は移転・承継(新しい機関コードの記載あり)で、真の閉局は2件です。
  • ★この圏の廃止届は5件未満(`small_n_clo`)です。市町別の閉局率・承継率は数値として持っていますが、市町どうしの比較には使えません。
  • ★閉局率を他の地方厚生局ブロックの県と比べることはできません。比較してよいのは中国四国9県どうしと、香川県内の医療圏どうしだけです。
  • ★暦年ごとの推移や複数年の窓は出していません。廃止名簿の号が確認できるのは2024年11月以降で、それ以前は収録が部分的だからです。
  • 市町別の処方せん枚数は実測ではありません。NDBの最小公表単位が二次医療圏のため、65歳以上人口で按分した推計です。
  • 薬局数は2025年で固定しています。将来の開局・閉局は見込んでいません。
  • 徒歩でのアクセス率はまだ入れていません(`mesh_backbone_250m` に香川県分は13,394セル投入済み。算出は次回更新で追加予定)。
  • 面積は国土数値情報の行政区域ポリゴンから球面積を積算したものです。面積・密度の比較は中国四国9県の中でのみ行っています。
  • 機能の届出(かかりつけ・地域連携・在宅)はGMISの届出ベースで、西部医療圏の227軒すべてに申告があります(欠測ゼロ)。
  • 2045年の薬局店数の推計は、いまも掲載していません(参入と退出の数え方がそろわないため)。医療圏の「都市型/郊外型」の分類は、供給の統計モデルが47都道府県フル学習になったので掲載に切り替えました。
  • 個店のランキング・名指しの閉局予測・出店戦略の助言は一切含んでいません。地域単位の事実のみを扱っています。
  • 薬局が1〜2軒の自治体(香川県では直島町)は、市町単位の集計がそのまま個店の記述になるため、Lv3の対象から外しています。この圏には該当する自治体はありません。
  • このページで言えないこと:将来の薬局店数、市町ごとの閉局の多寡、徒歩でのアクセス率、暦年ごとの推移、他ブロックの県との比較。いずれも手元のデータからは言えません。

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西部医療圏の市区町村レポート(A4・6ページ)

薬局の分布と、同じ医療圏の市区町村どうしの落差を1冊にまとめました。出典と作成時点を入れてあるので、そのまま社内やご相談の資料にお使いいただけます。受け取る地域をお選びください。

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病院側

西部の病院に、薬剤師はいるか

ここまでは薬局の話です。同じ圏域の病院側を、公表データから測りました。 退院した患者を受けとめる側と、送り出す側は地続きです。

病院
41うち200床以上 9
薬剤管理指導料の届出
46.3%全国 65.8%
100床あたり常勤薬剤師
3.16全国 4.76人
病棟薬剤業務実施加算
14.6%全国 27.8%

入院した患者に薬剤師が関わる基本の体制が薬剤管理指導料です。この圏域は全国より低い。 病棟に薬剤師を置く病棟薬剤業務実施加算まで届けている病院は14.6%(全国27.8%)です。都道府県と協力して自院の薬剤師を薬剤師不足地域の医療機関へ出向させている病院(薬剤業務向上加算)は、この圏域にはありません。全国でも68病院にとどまります。

通院で抗がん剤治療を行う体制(外来腫瘍化学療法診療料)を届け出ている病院は8件。 そのうち、治療計画を地域の薬局と共有して薬局側でも副作用を確認できるようにする体制 (連携充実加算)まで届け出ている病院は4件(50%)です(全国50.5%)。

届出=地方厚生局「届出受理医療機関名簿(医科)」令和8年8月1日現在(関東信越・東北は同7月1日現在)。 病院=病床20以上の医科医療機関。薬剤師数=厚生労働省「令和7年度 病床機能報告」施設票、 令和7年7月1日時点の常勤の実人数。この2つは基準日が1年ずれています。病床機能報告は一般病床または療養病床を持つ病院が対象で、精神病床だけの病院は載りません (この圏域では41件のうち32件が薬剤師数の分母)。 届出があること=算定していること、ではありません。 外来化学療法の内訳は、その届出が3件未満の圏域では伏せています(1〜2件で「連携0件」と書くと 特定の病院を指すことになるため)。個別の病院名は出していません。

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自治体・薬剤師会・研究者の方へ。この地域のより詳しい分析や、地域医療構想調整会議・研修でそのまま使える資料の作成を承ります(圏域ブリーフ ¥100,000〜)。個店のランキングや出店指南は行いません。

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