山形県村山医療圏

CrossHealth / 薬局持久度レポート

山形県で高齢者が増える場所は、この圏にしかありません

山形県村山医療圏 14市町村の薬局を、圏内での需要シェアの移動で見える化。

対象 山形県 村山医療圏 14市町村期間 2025年 → 2045年概要版・無料

この記事の数字について:出所は公開データ(厚生局・薬局機能情報提供制度=GMIS・NDBオープンデータ・社会保障人口問題研究所の将来推計人口など)。分析期間は上の「対象・期間」のとおりで、将来値は推計であり幅があります。検算のやり方と不確実性の扱いは方法論のページ →で説明しています。

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村山医療圏の市区町村レポート(A4・6ページ)

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村山医療圏の調剤薬局は319軒——山形県全体610軒の52.3%がこの圏に集まっています。県全体では65歳以上人口が20年で-8.9%減りますが、村山医療圏は-3.4%と4つの医療圏でいちばん穏やかです。ただし圏の平均はこの圏の実態をほとんど説明しません。圏内で処方せんのシェアがいちばん減るのは西川町(-31.8%)、いちばん増えるのは東根市(+14.3%)で、その落差は46.1ポイント。県の圏域差15.6ポイントの3.0倍です。

319
村山医療圏の薬局数
14
構成市町村
46.1pt
圏内の落差(需要シェアの移動)
11/14
65歳以上がすでにピークの市町村

村山医療圏は、山形市(薬局171軒=圏の53.6%)を中心に、北へ天童市・東根市・村山市・尾花沢市と続く盆地の軸と、西の最上川沿いの町(寒河江市・河北町・大江町・朝日町・西川町)、南の上山市がつながった圏です。山形県全体で65歳以上人口が2045年までに増えるのは3市町村だけですが、その3つはすべてこの圏の中にあります(東根市・山形市・天童市)。とくに東根市は2050年まで増え続ける——山形県35市町村で唯一の場所です。いっぽう同じ圏の西川町では65歳以上そのものが34.1%減り、11市町村では65歳以上人口がすでに2025年でピークを打っています。

地図 ── 地域差を見る圏の中で、処方せんはどこへ動くか

色は圏内での需要シェアの移動です。村山医療圏の処方せん総量を65歳以上人口のシェアで市町村に分け直し、2025年と2045年で比べています。プラスは「圏の中での取り分が増える」、マイナスは「取り分が減る」という意味で、その市町村の処方せんが実際に増えることを意味しません。圏全体では65歳以上が-3.4%と微減なので、プラスの市町でも実量はほぼ横ばいだと考えてください。絶対値は県のページ(Lv1)の色をご覧ください。

この圏ページ(Lv2)の色は圏内での相対値です。県ページ(Lv1)の色は絶対値で意味が違います。各ページの凡例に従ってお読みください。

人口動態 ── 圏の中の分裂14市町村のうち11は、高齢者の数が減ります

村山医療圏の総人口は509,061人→414,790人(-18.5%)、65歳以上人口は173,011人→167,181人(-3.4%)。圏の平均は微減ですが、内訳は真っ二つです。増えるのは東根市(+10.5%)・山形市(+5.9%)・天童市(+2.5%)の3市。減るほうの極は西川町(-34.1%)と尾花沢市(-32.5%)で、20年で高齢者そのものが3割以上減ります。高齢化率で見ても東根市の29.4%から西川町の48.6%まで開いており、同じ二次医療圏の中に、全国平均(29.6%)より若い市と、住民のほぼ半分が65歳以上の町が同居しています

総人口65歳以上
0万15万30万45万60万20252030203520402045205039万16万
実データ(社人研 将来推計人口・2023年推計)。圏全体の65歳以上のピークは2025年。

地域の差 ── 1軒あたりの厚み薬局1軒あたりの処方せんは、圏内で1.8倍ひらきます

薬局1軒あたりの処方せん(2025年推計)は、圏全体で年12,230枚。薬局が8軒以上ある7市町だけで比べると、山形市の9,918枚から村山市の17,683枚まで1.8倍開きます。いちばん薄いのが山形市——圏内で薬局がいちばん多く、いちばん密な市でもあります(薬局1軒あたり2.2km²)。薬局が数軒しかない町の「1軒あたり」は、事実上その1〜数軒の数字になるのでここでは使いません(表には注記付きで載せています)。広さで見ると、薬局1軒あたりの面積は圏全体で8.2km²、同じ7市町では山形市の2.2km²から村山市の17.9km²まで開きます。

西川町
-31.8%
尾花沢市
-30.2%
朝日町
-28.4%
大石田町
-23.9%
村山市
-19.9%
上山市
-18.3%
──── ここから需要が増える地域────
天童市
+6.1%
山形市
+9.6%
東根市
+14.3%

くわしい数字14市町村データ一覧

市区町村薬局高齢率
2025
1軒あたり処方せん
2025 → 2045
変化
山形市17131.2%9,918 → 10,868+9.6%
天童市3231.9%13,572 → 14,394+6.1%
東根市2729.4%11,562 → 13,218+14.3%
寒河江市2534.2%11,847 → 11,371-4.0%
上山市2142.1%12,083 → 9,868-18.3%
河北町1340.4%11,498 → 9,885-14.0%
村山市1142.9%17,683 → 14,163-19.9%
尾花沢市546.1%27,023 → 18,864-30.2%
山辺町437.2%27,115 → 25,593-5.6%
朝日町347.7%20,212 → 14,468-28.4%
大石田町344.5%19,640 → 14,950-23.9%
西川町248.6%23,519 → 16,043-31.8%
大江町142.2%65,866 → 54,045-17.9%
中山町139.4%88,889 → 78,524-11.7%

※処方せんはNDBの医療圏別実績(2023年)を65歳以上人口で按分した推計で、市町村別の実測値ではありません。薬局が8軒未満の7町(西川町・尾花沢市・朝日町・大石田町・大江町・中山町・山辺町)の「1軒あたり」は事実上その数軒の数字なので、本文のレンジには使っていません。閉局は件数のみ・率は非公開機能の届出率は未算出(0%ではありません)。

閉局 ── 件数だけ、7ヶ月ぶんです圏ごとの閉局率は出していません

他県版の圏ページには「圏内でこの1年に何軒閉じたか」という率があります。山形県では圏ごとの率を出していません。厚生局が毎月出す廃止機関一覧表のうち3号が画像のPDFで、集計用データに変換する私たちの側の工程が読み飛ばしていたため、もれなく数えられるのは7ヶ月ぶんだけだからです(厚生局はきちんと公表しています。落としていたのは私たちです)。その7ヶ月の村山医療圏では、廃止届4件・そのまま消えた薬局は3軒でした。山形県全体では廃止届11件・真の閉局8軒です。この11件を4つの医療圏や35市町村に割って率にすると、1件の増減で数倍に振れてしまいます。ですので件数としてだけお読みください。これは「この圏で薬局が閉じていない」という意味ではありません。数えられる期間が短いだけです。

機能の届出 ── これも出せませんかかりつけ・地域連携・在宅の届出率は未算出です

薬局機能情報提供制度(GMIS)の機能情報が山形県ではほぼ取り込まれておらず、9つの届出項目のどれかに「あり」が立っている薬局は県全体610店中14店しかありません。3指標とも未算出(null)としています。0%ではありません。山形県の薬局がこれらの機能を担っていない、という意味には一切なりません。

医療圏の型 ── 競争で減るのか、需要で減るのかこの圏は都市型(競争淘汰)です

薬局が閉じていく筋道には、大きく2つあります。ひとつは近くに薬局が多く、競争のなかで数が絞られていく道(都市型)。もうひとつは周りに薬局が少ないまま、患者そのものが減っていく道(郊外型)。村山医療圏にいまある319軒それぞれについて、どちらの効き方が強いかを計算し、閉局の起こりやすさで重みづけて足し上げると、競争側の比率は0.54です(0.5以上なら都市型、それ未満なら郊外型)。この地域は都市型(競争淘汰)にあたります。需要の側は、この地域の総人口が2025→2045で-18.5%です。社人研の推計では、この地域は減り方が急な側(20年で15%超の減少)に入ります。全国47都道府県・335の二次医療圏・65,634行(うち移転や承継を除いた本当の閉局3,952件)を学習した統計モデルによる分類です。特定の地方だけで学んだモデルを他の県に当てはめたものではありません。共通の係数は47都道府県すべての実データから学習しており、この地域の値は、この地域に実際にある薬局の実測値から計算しています。廃止届の名簿がそろっている期間が15ヶ月しかありません。この分類は2025〜26年の実績水準がこの先も続くと置いた場合の姿です。東北6県は画像PDFの廃止届が未回収で、閉局の捕捉が下限にとどまる可能性があります(統計的な下限の証拠は出ていませんが、回収の来歴から保守的に扱っています)。この分類は「どの筋道で薬局が減りやすい地域か」を示すもので、個々の薬局の見通しではありませんし、出店や撤退の判断もしません。

機能の届出 ── 厚生局の名簿で数える地域支援・医薬品供給対応体制加算の届出は96.2%です

薬局の機能は、これまで薬局機能情報提供制度(GMIS)の自己申告で数えていましたが、ここからは地方厚生局の「施設基準届出受理医療機関名簿」で数え直しています。村山医療圏でこの名簿に載っている保険薬局は317軒で、そのうち届出があるのは──地域支援・医薬品供給対応体制加算 305軒=96.2%、かかりつけ薬剤師(服薬管理指導料の注1)(推定) 152軒=47.9%、在宅薬学総合体制加算 79軒=24.9%、電子的調剤情報連携体制整備加算(推定) 278軒=87.7%です。名簿の版は令和8年7月1日版(東北厚生局=青森・岩手・宮城・秋田・山形・福島の6県のみ令和8年6月1日版。7月分が未公開のため入手可能な最新を使用)。8つの厚生局・47都道府県をすべて同じ月の版でそろえてあるので、県どうしを並べて比べられます(GMISの自己申告は県によって取り込みの穴があり、これができませんでした)。推定を含む項目があります。「かかりつけ薬剤師(服薬管理指導料の注1)」は令和8年度改定でかかりつけ薬剤師指導料・包括管理料は服薬管理指導料に統合され、単独の届出名称が無くなりました。新様式の名簿にある「服薬管理指導料の注1」を代理指標として数えた推定値です(告示・通知文の逐語確認はしていません)。「電子的調剤情報連携体制整備加算」は令和8年度改定で「医療DX推進体制整備加算」の後継と判断して数えた推定値です(同一制度の後継という対応関係は未確認)。分母は名簿に載っている薬局の数で、このページの他の場所に出てくるGMIS由来の薬局数とは出典が違うため一致しません。また届出は「その体制をとると届け出た」という記録で、実際に提供された量ではありません。

このレポートの範囲と、正直な限界

  • この圏ページの `chg` は圏内での相対値(圏の処方せん総量を65歳以上人口のシェアで分け直したときの移動)。県ページ(Lv1)の `chg` は絶対値で意味が違う。
  • 村山医療圏の65歳以上人口は20年で-3.4%。圏内でプラスの市町でも、実量が増えるという意味ではない。
  • 薬局数は `ds_only=0`=319軒。ドラッグストア専業は含まない。
  • 市町村→医療圏の対応は `medical_area_master` が唯一の正。
  • ★機能の届出率(かかりつけ・地域連携・在宅)は未算出(null)。GMISの機能情報が山形県ではほぼ未取込で、9項目のどれかに「あり」が立つ薬局は県全体610店中14店しかない。(→ この波で、厚生局の施設基準届出受理医療機関名簿で数え直した届出率をこのページに載せました。GMISの自己申告からは算出できないという直前の説明は、GMISについてはいまも有効です。)0%ではない。
  • ★閉局は件数のみ。圏・市町村の率(閉局率・承継率)は算出していない。号がそろっている7ヶ月の県計が廃止届11件しかないため。
  • ★閉局の件数は7ヶ月ぶん。他県版の「直近12ヶ月」「暦年」とは期間が違うので、そのまま並べてはいけない。
  • 市町村別の処方せんは実測ではない。NDBの最小公表単位が二次医療圏なので、65歳以上人口で按分した推計。分母の小さい町では極端に跳ねる(本文のレンジは薬局8軒以上の7市町に限っている)。
  • 薬局1〜2軒の自治体が3ある(西川町・大江町・中山町)。市町村単位の集計がそのまま個店の記述になるため、Lv3の対象から外す。
  • 村山医療圏に薬局0軒の自治体は無い。
  • 薬局数は2025年時点で固定。将来の開局・閉局は含まない。
  • 徒歩カバー率は本レポートでは算出していない(Lv3の軸)。面積(km²/軒)は「住民から薬局までの距離」ではない。
  • 個店のランキング・名指しの閉局予測・出店戦略の助言は含まない。
  • 言えないこと: この圏でどの市町村の閉局が多いか、どの市町村の届出が進んでいるか、将来この圏の薬局が何軒になるか。いずれもデータからは判断できない。

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村山医療圏の市区町村レポート(A4・6ページ)

薬局の分布と、同じ医療圏の市区町村どうしの落差を1冊にまとめました。出典と作成時点を入れてあるので、そのまま社内やご相談の資料にお使いいただけます。受け取る地域をお選びください。

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病院側

村山の病院に、薬剤師はいるか

ここまでは薬局の話です。同じ圏域の病院側を、公表データから測りました。 退院した患者を受けとめる側と、送り出す側は地続きです。

病院
33うち200床以上 15
薬剤管理指導料の届出
72.7%全国 65.8%
100床あたり常勤薬剤師
4.64全国 4.76人
病棟薬剤業務実施加算
27.3%全国 27.8%

入院した患者に薬剤師が関わる基本の体制が薬剤管理指導料です。この圏域は全国より高い。 病棟に薬剤師を置く病棟薬剤業務実施加算まで届けている病院は27.3%(全国27.8%)です。都道府県と協力して自院の薬剤師を薬剤師不足地域の医療機関へ出向させている病院(薬剤業務向上加算)は、この圏域にはありません。全国でも68病院にとどまります。

通院で抗がん剤治療を行う体制(外来腫瘍化学療法診療料)を届け出ている病院は7件。 そのうち、治療計画を地域の薬局と共有して薬局側でも副作用を確認できるようにする体制 (連携充実加算)まで届け出ている病院は6件(85.7%)です(全国50.5%)。

届出=地方厚生局「届出受理医療機関名簿(医科)」令和8年8月1日現在(関東信越・東北は同7月1日現在)。 病院=病床20以上の医科医療機関。薬剤師数=厚生労働省「令和7年度 病床機能報告」施設票、 令和7年7月1日時点の常勤の実人数。この2つは基準日が1年ずれています。病床機能報告は一般病床または療養病床を持つ病院が対象で、精神病床だけの病院は載りません (この圏域では33件のうち23件が薬剤師数の分母)。 届出があること=算定していること、ではありません。 外来化学療法の内訳は、その届出が3件未満の圏域では伏せています(1〜2件で「連携0件」と書くと 特定の病院を指すことになるため)。個別の病院名は出していません。

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自治体・薬剤師会・研究者の方へ。この地域のより詳しい分析や、地域医療構想調整会議・研修でそのまま使える資料の作成を承ります(圏域ブリーフ ¥100,000〜)。個店のランキングや出店指南は行いません。

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